ユースオリンピックにブレイクダンス!の話を真剣にまとめてみた。

2018年のユース・オリンピックの種目として、ブレイクダンスが決定!というニュースを、みなさん耳にされたんじゃないでしょうか。


↑↑↑ IOCのオフィシャルサイトにのってる動画です。

曲が微妙にダサい気がしますが、B-BOYINGとかB-GIRLINGという言葉を使ってるあたり、意外ですよね笑

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みなさん、このニュースを聞いて、何を思いました?

めでたい?怒り?期待?心配?

ダンスとの関わり方によって、それぞれ思うことも違うんじゃないでしょうか?

僕は世界のいろんなところにB-BOY / B-GIRL (ブレイクダンサーのことをこう呼びます)の友人がいますが、真剣にやってるやつらの8割くらいが、このニュースを聞いてもった感情は 困惑 もしくは 怒り という感じだったような気がします。

踊りやってる人は分かるだろうし、そうじゃない人にはわかりづらい問題かもしれませんね。

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大きなポイントは以下じゃないでしょうか。

●ブレイクダンスとかヒップホップとはなんら関係ない団体がIOCの下部組織として運営する模様。

●レジェンド的な人物や現役の重要なプレイヤーたちに相談がない。

●オリンピックはスポーツイベントであって、アートでも音楽でもない。

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そもそも前提として、この踊りをやってる人はしょっちゅう誤解と闘ってまして、
「頭で回るやつやってよ!」とか「なんかすごい技見せてよ!」とか言われてイラっとしたことがみんな一度はあるはずです。
企業とかメディアが絡んだイベントで、ブレイクダンスの大会だっていうから参加したら、ただバク宙連発するだけのやつが優勝!みたいなこともあったりします。

だから、権力や資本のある人たちがこのアートを理解しないまま、マウントとってしまうことに対して、とても敏感なんですね。

ということで、ユース・オリンピックの競技になったときに、

テレビ映えする超人的な技ばっかり競うダサい大会になっちゃうんじゃないか、とかすっとんきょうなルールの中で踊らされることになるんじゃないか、とか、みんな心配なんだと思います。

オリンピックともなれば、なおさらです。世界中の人がそれ見て正しいと思いこんじゃうことって容易に想像できますよね。

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んで、僕のFacebookのタイムラインでもその話題がだいぶホットになりまして。

シーンの重鎮や現役プレイヤーによるコメントをまとめてみました。

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僕が知る限り最初にバズったのはStyle ElementsのMidusによるポストだったんじゃないでしょうか。

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(以下、勝手な要訳)

IOCにこの話を持ち込んだのはダンサーでもHipHopアーティストでもなくて、World Dance Sport Federationという組織。
WDSFは社交ダンスの団体で、20年以上にわたってオリンピックに入り込もうとアプローチし、失敗し続けてきた。そして今年、ブレイクダンスを彼らが統括するダンススポーツの一部として提案し、若者を取り込んでいきたいIOCとの利害が一致した結果の採用。このコミュニティの重要人物に相談や意見をあおぐこともせずに。
オリンピックにBreakin’がふさわしいかどうか、という議論とは別問題で、このカルチャーに関係ないやつらにコントロールさせるわけにはいかないし、俺たちのコミュニティからアクションしなきゃいけない。

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彼はWDSFについてかなりリサーチしたようで、「金のためにアートを振り回す団体」という感じに疑問視してるようです。
そしてWDSFをBreakin’の運営から追い出そう、という署名活動を始めました。(ユースオリンピックでBreakinやることに反対する署名ではない)
https://www.change.org/p/international-olympics-committee-get-the-wdsf-s-hands-off-hip-hop?recruiter=658479989&utm_source=share_petition&utm_medium=facebook&utm_campaign=share_facebook_responsive&utm_term=des-lg-share_for_starters-custom_msg

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HipHop黎明期からの最重要ダンスクルーRock Steady CrewのリーダーCrazy Legsもコメントしてます。

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(以下、勝手な要訳)

この件に関して、オリンピックを運営する団体から俺のところにアプローチはないし、他のパイオニアたちのところにも、俺が知る限り今のところ連絡はない。
何の相談もないまま決定したことはもちろん気に食わないけども、いい未来につながる可能性も否定できない。現時点では十分な情報もってないから心配ではあるけど、前向きに取り組みたい。

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いままでHipHopコミュニティーに全く関わってこなかった団体がやってるとはいえ、これから具体的に動いていくとなれば、まぁ恐らく自分のとこに一声かかるだろう、と思ってるんじゃないでしょうか。第一人者としての余裕を感じさせます笑
自分から窓口を探してアプローチしてくとも宣言してます。イケてる先輩って感じしますね。

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Mighty Zulu KingzのAlien Nessはこの件に対してかなりポジティブです。

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(以下、勝手な要訳)
Youth Olympicなんだからキッズ達にとってはイイ機会なんじゃねぇかな。
関係ないやつらがハイジャックしにきた!っていうけど、俺たちはRedbullとかMonsterにハイジャックされたのか?いつだってアウトサイダーがビジネスをやってきただろ。
ダンスはスポーツじゃない?んじゃお前たちエントリーしてるがダンスの大会はスポーツじゃねぇのか?会場にいってエントリーシートに名前書いて、呼ばれたら出てって踊る。そりゃスポーツだ。ストリート・ビーフの中でバトルしてきた俺からしたらBC oneもFreestyle Sessionもスポーツだ。そしてそれが悪いことだとも思わない。なんなら結構好きだ。
Youth Olympicだぞ。オリンピックじゃない。ユース・オリンピックだ。キッズのためのものだ。子供たちに楽しませてやればいいじゃねぇか。

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僕のイメージでは、破天荒でハードコアなプレイヤー、という感じだったんですが、とても前向きですね。このイイおやじ的なVibes、初めて感じました。

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カナダのBBOY DYZEEも細かく調べてレポートしてますね。

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(以下、勝手な要訳)
WDSFはUBA(United Breakin’ Association)という団体にアプローチした。UBAはB-BOY & B-GIRLSによる信頼できる団体と言えるし、WDSFの目線から言えばBreakin’に関するオフィシャルな組織を探したときに、そこが唯一のオフィシャルな団体だった。そしてUBAは運営に参加できるポジションにいる。
俺たちの声を届けたいなら、俺たちを代表する団体を急いでつくるべきだ。残された時間は6か月。何のアクションをとらないのが一番よくない結果につながる。

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Dyzeeは、R-16という韓国のお役所が絡んだイベントの運営にも参加してるので、こういった大きな団体やパブリックセクターが動くときに何を見るのか、シーンにとってイイものにしてくためにどう動くべきなのか、という視点が強いですね。

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日本から、Japanese 1st BBOY、HORIEさんの提案はとても画期的です。

シーンの父親的な立場でいまなお現役で活動し、さらに実際に父としてお子さんを育てるこのお方の言葉は、これまでに紹介した海外のキーパーソンたちとは違った視点からのものですね。こういう優しさが、いまも多くの人から支持される理由だと思います。

世界的に活躍するスーパーBBOY KATSU君やスーパーBreak DJのMARさんは、期待もあるけど心配のほうが大きい、ひとまず注意深く様子を見ていこう、というスタンスでしょうか。(違ったらすいません汗)
愛情のある人たちの手で大事に作ってって欲しいなという思いが伝わってきますよね。

Katsu君
ユースオリンピックの正式種目になりました | BBOY KATSU1のブログ

MARさん
ブレイクダンスがオリンピックのプログラムへ | DJ MAR SKI BLOG

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最後に僕の考えたことを少しだけ書いておきます。

僕はこの動きには賛成で、とても前向きにとらえています。

なぜかというと、変化や議論が起こることがイイことだと考えているからです。

DJの世界だってとんでもない変化が今までにあったし (レコード使わないでDJするようになるなんて昔は想像もしなかったし、当初はんぱない反発があった)

ラップのシーンだって、乱暴に扱うメディアによる誤解と闘いながら、一部WHACKなものとかPOPすぎるクソを生み落としつつ、結果として多様性のある文化ができあがって、

どっちも、今、いい感じなんじゃないでしょうか。

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愛するものが変わらずいてくれるってのは安心だし素敵なことですが、ずーっと同じで変化のないものであって欲しくはないな、と僕は思ってるんです。

時代とともに変化して、多様性があって、未来が予測できないくらいのほうが好きなんですね。あくまで個人的な願いです。

大きな力が入ってくると、分かってないやつらにマウントとられちゃうんじゃないか、とか、変なトレンドで本質が見えなくなる、とか、そういう心配はもちろんありますが、

ほんとに大事な部分は守れるくらい、成熟してるカルチャーだと思いますよ。

もちろんいろいろと心配な部分はあるし、闘わなきゃいけない局面も出てくるかもしれないけど、僕はわりと楽観的に、なんなら期待してます。

ユース・オリンピックがいい方向に作用するならラッキー・パンチだし、もし暴走してダサいことになったら、こっちはこっちでかっこいいものやって、身の丈にあったやり方で自分たちのアートを守っていけばいいんでしょうか。

HipHopのカルチャーには、それくらいの結束力と発信力はあるはずです。

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ということで、ただ静観するのもアレですし、DYZEEが言うとおり時間もないので。

具体的に僕がすべきことはなんなのか、真剣に考えてみたいと思います。

いい未来がありますことを。 

May The Beat Be With Us!!



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